旧耐震だけで査定価格は決まらない
査定会社は築年数だけで一定割合を差し引くのではなく、比較できる取引事例と対象住戸の違いを補正して価格を考えます。都心では駅距離、生活利便性、土地持分、建替え可能性などが建物の古さを補う場合があります。
一方、買主が利用できる住宅ローンや保険、耐震資料の有無によって購入可能な層が狭まると、販売期間や価格交渉へ影響する可能性があります。
査定価格を左右する7つの要素
同じマンションでも階数、向き、面積、管理状態によって価格は変わります。査定書では、次の7項目がどのように加点・減点されているか確認します。
- 立地:駅距離、複数路線、生活利便性、再開発
- 成約事例:同一マンションと近隣類似物件の実際の取引
- 耐震性:建築確認日、耐震診断、補強工事、適合証明
- 管理・修繕:長期修繕計画、積立残高、工事履歴、滞納
- 融資可能性:買主が利用できる金融機関と担保評価
- 土地・権利:土地持分、借地権、既存不適格、建替え余地
- 住戸条件:階数、向き、眺望、面積、間取り、室内状態
売出価格ではなく成約事例を起点にする
ポータルサイトの掲載価格は売主の希望額であり、その金額で売れたことを意味しません。査定根拠として、同一マンション、近隣の類似築年・面積、同じ耐震・管理条件の成約事例を確認します。
同一マンションの事例が少ない場合は、駅距離、築年、規模、耐震状況が近い物件まで範囲を広げます。そのうえで対象住戸の階数、向き、面積、リフォーム状態を補正します。
高い査定額より根拠と販売期間を比較する
査定額は売却を約束する価格ではありません。契約を得るために高い査定額を提示し、販売開始後に値下げを提案するケースも考えられます。複数社へ同じ条件で依頼し、価格の根拠、想定販売期間、値下げ判断の時期を比較してください。
- 査定価格の根拠となった成約事例
- 推奨する売出価格と成約想定価格の違い
- 3か月・6か月時点の販売計画
- 旧耐震物件で想定する買主と利用可能な融資
- 仲介と買取それぞれの手取り・引渡条件
売却前の資料準備が価格防衛につながる
耐震診断、修繕履歴、積立状況が不明だと、買主は分からないリスクを価格へ織り込みます。重要事項調査報告書、長期修繕計画、総会議事録、耐震関係資料を早めに揃えることで、査定会社も買主へ具体的に説明できます。
資料がない場合は『問題なし』と説明せず、保管場所と取得経路を確認します。確認済み・未確認・該当なしを分けることが、後の価格交渉や契約トラブルを減らします。
FAQ
よくある質問
旧耐震マンションは新耐震より何割安くなりますか?
一律の値引率はありません。立地、規模、耐震診断・補強、管理状態、融資可能性、住戸条件、成約事例によって差が出ます。複数社の査定根拠を比較してください。
査定額が最も高い会社を選べばよいですか?
査定額だけでは選べません。根拠となる成約事例、想定販売期間、販売戦略、値下げ方針、旧耐震物件の取扱実績を確認します。
耐震診断をしていないと売却できませんか?
耐震診断がないだけで直ちに売却できないとは限りません。ただし、買主の融資や不安、価格交渉に影響する可能性があるため、建築確認日や管理組合資料の確認状況を整理します。
売却を決めていなくても査定できますか?
一般に査定依頼は売却決定前でも可能です。依頼時に検討段階であること、希望する連絡方法、売却時期が未定であることを伝えてください。